とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


2件のコメント

カケヒキ

後の火災で引っ越しを余儀なくされるまでの期間を過ごした部室の想いでなど。
高校入学とともに入部したヨット部部室は他のクラブと違い学校の敷地外にあった。部室ではなく「艇庫」。ヨットは「艇」だから。その艇庫というものはバスケットコートほどの敷地面積の倉庫状。二人乗りのヨット8艇を並べて置くことができた。その奥には薄いベニヤ板の壁で仕切られた「男子部室」と「女子部室」があり、その二つの部屋の仕切りも薄いベニヤ板一枚だった。となれば男子がすることは一つで、それは、女子部員を見守るということである。いかにして女子部員に発見されることのない場所に穴を開けるかに心血を注ぐ熱い情熱が男子たちにはあった。
女子よりも早く部室に行き、前日に計画した場所に電動ドリルで穴を穿つ男子と、部室に入るなり「サイテー」と叫びビニールテープで穴を塞ぐ女子。塞がれたビニールテープを細い棒で押し剥がすところをしっかりと見届け、剥がれた瞬間に水鉄砲による反撃をする女子。このように攻防は常に一進一退であったが、今思えば防御がビニールテープというところに、イヤヨイヤヨモスキノウチが有ったのではないかと思うのだが、それは勘違いであろうか。

色とりどりのビニールテープがいくつも貼られた女子部室の壁はとうとう見ず終いだったのが心残りだが、男女の壁を巡る熱い攻防の日々はまだまだブログネタとして私の中に生き続けている。

つづく