とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭

素敵爺。

2件のコメント

「ぼくが車の広告の依頼をうけたとするなら、綺麗な風景の前に車を置きますけども、この広告の目的は、車を売ることではなくて、旅行に行きたいと思わせるように作ります。」
「移動手段は電車や飛行機になってしまうかもしれない。けれど、なににしても、反する姿勢で作っていかないといけないんです。」

自動車メーカーの車の広告なのに、横尾さんの思考はこうなそうで。
その名前と確固たる実績があってこその仕事とは思うけど、かっこいいよなぁ。
この話をしながらさらに1970年の万博でせんい館をまかされた時の話を引き合いに出した。万博反対派なので、せんい館パビリオンをまかされつつも「反博」という言葉と共に、実にらしいデザインに作り上げた。どんなものか分からない人は検索してみるといい。
ちなみに1970年は、彼の体に霊界との通信装置が埋め込まれた年でもある。

彼はさらに続けた。ただし、実際に作ったのか、作りたいのかは聞き取れなかった。悪しからず。
「自動車メーカーのカレンダーなら”車の死”を表現します。男の車と女の車が、高い崖から心中する様子を描いたものが1月。バラバラになって、部品とか散らばっているのが2月とかね」会場爆笑。

「それでも広告はお金をもらっているから”作品”ではありません。作品とは考えない。工業的、クラフト、職人的な気分。」
「職人は毎日やることが決まっていますので、朝起きてさて今日はなにをしよう、ということはありませんが、アーティストはそれがあります。」
「ポスターは仕事、デザインは生活。飯を食うためデザインはより好みしないで可能な限り引き受けます。画は売れるかわからないから、人生。」

ああなんて素敵な喜寿男だろうか。

最後にもう一つ。
70歳の時に隠居宣言をした彼ですが、隠居しつつもデザインやポスター制作なんかの「飯を食うための」仕事はしますなそうで、
「その日はね、隠居を休むの」
だってさ。
で、すぐに
「なるほど”隠居の休日”だね」
と返した80歳の天野さんもまた素敵だった。

~横尾忠則・天野祐吉トークショー/岩手県立美術館~
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ラブオマージュ宮古Y字路ii

作成者: にそ丸

■東京から一番時間距離のあるまち、岩手県宮古市のとある庭から見える田舎の風景を。

素敵爺。」への2件のフィードバック

  1. はー。やっぱり日曜日は当たりでしたわ。
    土曜日の学芸員のおじさんは昔話だけさせたがって、思想哲学までとても踏み込めませんでしたもん。
    あげく時間が足りなくなって、
    「この続きはですね、明日の天野先生の時間をちょっとお借りして聞こうかなと、思います」
    「えー?天野さんにも都合があるからねえ。それどうかな」
    とたしなめられる始末。
    やっぱ聞き下手、聞き上手ってあるんですねえ。
    聞き上手になりたい!

    • 聞けば聞くほど気の毒に思ってしまうわー。
      横尾さんに限らず、年間にいくつもの講演やトークショーをやっていると、「今日のステージはいまひとつだなあ」とかあるんじゃなかろうかと思う。そしてその理由がコーディネーターや運営側にあったってのも多少ならずありそう。
      「えー?天野さんにも都合があるからねえ。それどうかな」
      この一言が物語っていると思うんだぜ、聞き下手学芸員よ!

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