とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


2件のコメント

元イタリア人なので。

朝の一杯だけはブラックではなく甘いコーヒーを飲む。
大概は自宅か会社で飲むが、出社がてらマクドナルドのドライブスルーでというのも少なくない。

「ホットコーヒーのMを。ミルクと砂糖二つずつ入れちゃってください。以上です」
毎度のことなので注文は定型文と化している。
受取口で150円を支払い、コーヒーを受け取る時にはありがとうの一言を添えて車を出す。
スマートでしょ? 異論は認める。

ある日のこと。
午後も2時を回ったというのに、どういうことかマックのドライブスルーは5台ほども並ぶ混みようだった。
こんな時は入店して注文したほうが早かったりする。案の定店内のカウンターは誰も並んでいなかった。
「持ち帰りでホットコーヒーのMを」
ムダ無くスマートに注文したつもりだったのだが、予想に反してこんな言葉が返ってきた。
「ミルクとお砂糖は二つずつでよろしいですか?」
どうやらミルクと砂糖二つずつおじさんとして覚えられてしまっていたらしい。
しかもソフトなよい笑顔付きだったので、ついつられて、
「はいお願いします」
と答えてしまった。笑顔で。

そして店員とぼくの会話は続く。
「珍しいですね」
──え?
「今日は店内にいらっしゃったので」
──ああ、たまには中に入ってみようかとー
けっして妄想オチではない。
それにしても、ドライブスルーが混んでいたからなのに、なぜこんな答えになったのだろう。
まぁ予想だにしていなかった会話に戸惑ったというところだろうが、言い方を変えれば、年甲斐もなくドギマギしたからとも言えそうだ。なんと気持ち悪いことか。
しかしコーヒーを受け取るついで、イタリア人風のありがとうを添えることは忘れない私だった。

そんな具合に午後のコーヒーを買って戻った車内で思った。
これ、最近CMでやってるパターンのヤツだなー。あの、朝マックで女性店員が客にいってらっしゃいませっつって客も客でいってきます(照)みたいなヤツ。マックめ、こういうサービスでキやがったか。なるほどこのサービスは経費がかからないもんな。でもこんなの勘違いするヤカラ出てくるぞー。つか自分も若かったら食事とか誘っているはずだが。いや都会ならまだしもこの田舎じゃ引き際メンドそうだからヤメといたほうがいいな──。でも元イタリア人だしなー。
って、すでに妄想全開じゃねーか!俺ぁアホか!!
と恥ずかしい自分ツッコミなどを空想しながら口に含んだコーヒーは当たり前にがっつら甘かった。
今飲みたかったのはブラック。甘いコーヒーなど朝だけでいいのだ。
うう甘い。あのシチュエーションで『いいえ。ブラックでお願いします』と言えなかったスケベ心のようなイヤな甘さがうんたらかんたら(オチからの逃避)
niso12_375
「プレミアムローストコーヒーをひとつ」→「サイズはいかがなさいますか?」→「Mで」→「お砂糖とミルクはいかがいたしましょう」→「二つずつお願いします」→「砂糖ミルクお二つずつ。こちらお入れしてもよろしいですか?」→「はい」→「他ご注文はございませんか?」→「以上です」

何度も買っているのにもかかわらず、ずっとこんなヤツぁどうぞ自販機をご利用くださいですコノヤロー。