とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


4件のコメント

しない贅沢。

小一時間歩き回ったけれど、誰ひとり会うことはなかった。
こんな晴天の、ぽかぽかの春の日なのに、である。
なーんて。
ここはいつだってそれほどに静かな場所なのだ。

海が見下ろせるベンチ。
なんて言えばちょっとは素敵に思えるけれど、ぼくの住むまちではそんなにスペシャルではない。
海の町だけあって、こんな場所はいくらでもある、と言えばおおげさだけど、決して珍しいものではないというのは本当だ。
しかもここ、ぼくの大っ嫌いな、木を模した人口の柵があるし、しかもそれはばかにしているかのように眼の前にある。
きっとここに腰を下ろして海を眺めても、柵の存在を意識してしまうに違いない。
こんなもん、もう少し離して低いところに設置すればいいのにって思う。
だからお気に入りの場所ではあるけれど、このベンチに座ったことはない。

これは、もしかしたら贅沢な取捨。
洗練も便利も身近ではないこの町だからできる「しないことの選択」なんだと思う。
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この場所に居て一番強く思ったことは、熊が現れたら困るなぁということだった。