とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭

老兵。

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20年ぶりかな、たぶんそのくらい。
期せずして再会となったその人は、ぼくの顔を見るなり破顔した。
ぼくがこの仕事、動画カメラマンになってから、二年も経っていない頃にお世話になった人だった。
ひとしきり懐かしさを確かめ合い、震災の話、近況についてなんか話した。

帰宅して湯船に浸かりながらその遣り取りを反芻したんだが、ふと思ったことがある。
「そっかー、ずっと続けてたんだねー。もうすっかりベテランだねぇ。」
初めて会ってから、ばくがずっと同じ仕事を続けていたことを知ったその人の言葉だ。
社交辞令、と言ってしまったら底意地が悪いと言われかねないほどごく平凡な会話だし、なにも腐そうとはちぃとも思っていないのだが、素朴な疑問が頭に浮かんだのだ。

ベテランって、なんだ?
謙遜とかそんなことじゃなくて、本当に全然自分がベテランだとは思っていない。
なぜなら、ぼくが思い描くベテランというのは、例えばホテル日航東京のバーカウンターの中で、普段と変わらないよどみない所作によって人生1000杯目のギブソンを作るロマンスグレー七三分けバーテンダー(63)であり、まぁつまりは自分なんてまだまだ20年早いと思えるからだ。

……そうなんだよなー。
ベテランという詞が当てはまるのは、職人の世界な気がするんですよ。
例えば、いくらこの道38年だとしても、市職員には似合わないと思うのだがどうだろうか。

ググってみた。
【ベテラン】
1. 退役軍人、老兵のこと。
2. 1の意味から転じた和製英語。経験豊かな人のこと。
日本では世界大戦後に、その言語が意味を転じ「退役軍人、老兵」→「技術を沢山持っている人」→「経験豊かな人」の意味として使われるようになった。

ふむ。
どうも「職人」ということではないようだ。市職員でも全然アリでしたね。失礼しました。
それでもやっぱり自分にはまだ早いのだという考えは変わらなかったが、「経験豊かな人」というくくりでは、年齢はさほど意味を成さないのかもなぁという思いには至った。

最後にもひとつだけ。
「写真家」はもとより「写真師」は”師”が付く。
映画界では「撮影技師」か。
そこにきてぼくの仕事は「カメラマン」「報道カメラマン」「ビデオカメラマン」。
「師」が欲しいとは言わないけれど、せめて「作家」「文筆家」のように漢字で表すことができる職名があったらいいなぁなんて思ってみたりもするのです。
ちなみに、「屋」で呼ばれることはあるけれど、ほぼ揶揄と受け取っております。
niso13_491
報道カメラマン仕事(動画)の間隙を突いて撮った一枚(写真)。
こんな隙を見つけることのベテランですが、なにか?

作成者: にそ丸

■東京から一番時間距離のあるまち、岩手県宮古市のとある庭から見える田舎の風景を。

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