とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


5件のコメント

前略、ぺこ様。

今日の庭は、画家である友人へ宛てる私信です。
あしからずご容赦ください。

行って来ました、絵画展。
会場に入って、まずはズラーッとひと通り遠巻きに眺めたんだけども、お?と網膜に飛び込んだ絵が5つ。それぞれ近くで観たらまた印象が変わって楽しかった。

さあて、絵などわからないぼくだからできる怖いもの知らずな批評、行きます。

遠巻きだとどっしりとした独創的な作品に見えて、近くで観たらその自由さにしてやられたのが増坂さんの作品。遊んでいるようでちゃーんとしっかりと描いているのね。カンバスではない(?)平滑なもの(?)に描いているのもまた興味を引かれました。

現代アートげな横長のヤツにも目が行った。
光沢のある布っぽいものにプリントしてるのかな。遠目で興味を持ったけど、近くで観たらそうでもなかった(すごく失礼)。あと、小さいタイプのは無いほうがいいのに(すごくすみません)。

窓とカサブランカの作品は上手いの一言。
デッサン力に敬服。複雑なカサブランカが形も色もそのまま描かれていた。かと思えば夢の一場面のように不思議な切り取られ方をしているところもあって、この展示会で一番長く足止めを食らったのでした。

なんだか気になったのが、赤い鍋を描いた、シチューがなんとかという作品。
選んだ鍋がいいのか、色のチョイスが好みでした。よくよく思えば鍋をモチーフに、というアイデアがユニークね。あの絵を我が家に飾るかといえば、それは別の話だけども。

ズラーッと眺めて、最初にパッと目に入った作品。それがぺこさんのでした。
まずはあの背景の色よ!青とも緑ともつかない色。ある日の浄土ヶ浜のような色。鮮やかで爽やかな色。それでいて落ち着いて気品もある色。他の作品にはくすんだ色使いのものが多かったからなお際立って見えた。とにかく、あの色が引力だった。そしてそこに写実的な濃色の雉が堂々と佇んでいた。
側に寄ってまた驚く。遠目では写実的に見えていたのに、近くで見ると線で描かれてはいなくて。なんというの?グネらないゴッホ?点描とは違うの?なんというのか分らないけど、感心しました。
あとは、背景や体に使っている色に比べれば、顔の赤が特異なはずなのに浮いていない。そして白の使いドコロ。多くはない白が引き締めに一役買っているように感じました。
そんで構図。素晴らしいね!

それにしても構図が惜しい作品が多かったなぁ。
全体的にもうちょい下がればーとか、もう少し余白があればなぁとか。
静物の歪みも然り。
ガラス瓶の透明はびっくりするほど表現されているだけに、歪みがもったいないなぁ、いやひょっとしたら元がこういう瓶なのか?んなこたーないだろ。たとえそうだとしても、左右対称に描いたほうがいいし。
なんて、みんなプロじゃないことを思えばすごいというほかないのですが。

好き勝手書いたけど、それは「やーぐど」。
目の保養にもなったし、感性を刺激されてきました。
なによりぺこ作品を鑑賞できてうれしかった。
見上げる構図の雉なんて、絵画も写真も皆無でしょ、きっと。
忠実且つ大胆な主役と、オリジナリティのある背景。
改めて、すげぇですね、あなた。

草々