とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


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仕事終わりの道すがら。

時計を見誤ったかと思うほど、空はまだ明るかった。
このまま帰るのももったいないような、そんな気がして、いつも曲がる交差点ではハンドルを切らなかった。
左右両側の窓を一気に開けたら、ぬるい初夏の風がたそがれの匂いとともに車内へと勢い良く流れ込んできた。
緩やかなカーブを曲がりきると、ルームミラーに大きな月が映った。
思わず振り返ってみると、珊瑚色の夕空に月がいた。
大きな月、象牙色の月。
梅雨さなか、6月23日の月。
誰かに教えたくなる、きれいな満月。
静かに宵の口を迎える空梅雨の空。
そこには月だけではなく、少しだけ切なさも浮かんでいたように見えた。
niso13_619
カメラをとりに自宅へ行っていざ撮らんと構えたらウソみたいにちっちゃくなってた元大きな満月をうらめしく眺めながら果たしてあの交差点を曲がらなかったのがよかったのか曲がったほうがよかったのかと正答に至りたくもない自問自答の渦の中で撮った恨身の一枚。