とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭

さばね。

17件のコメント

あまちゃんの「北鉄」で使われている三陸鉄道北リアス線。
もともと利用者は多くない路線だが、今日はその中でも特に利用者が少ない佐羽根駅(さばねえき)へ立ち寄ってみた。

niso13_607
道路や民家を背にして山側を向くと、幅1.5mほどの赤い橋がある。ベコンベコンと愉快に鉄板を鳴らしながら渡りきると、ほどなく佐羽根駅だ。
この駅の一日の利用者は、平均して10人程度。しかしいわゆる「秘境駅」ではない。
秘境駅の定義については触れないが、とりあえずすぐ近くまで車で行くことができ(この日も車で行った)その道路周辺には民家もそれなりにあるので、秘境駅とはいえないだろう。
まぁ絵面は秘境といえなくもないけれど。

niso13_608
橋の下には笹舟が似合いそうな日本の原風景的清流が流れている。

niso13_610
赤い橋を渡るとすぐに現れる駅へ上がる階段。
バリアフリー?なにそれ美味いの?

niso13_613
上りきるやいなや汽車が来た。持ってるじゃないか、私。
ちなみに、電車ではなくワンマン運転のディーゼル車両。
JRも含め宮古市周辺には電車はないので、この辺の人は列車のことを「電車」といわずに「汽車」と呼んでいる。
しまいにゃ、よそから来た人が「あ、電車だ」などというと「汽車です」と訂正を入れられることもあるから注意が必要だ。
そしてその訂正を入れた本人がトカイに行き、覚えたての東京イントネーションで「汽車が遅れてー」などと言い、恥ずかしい思いをするというのが古来よりの伝統芸なのである。

niso13_614
本来の北リアス線は宮古駅からじぇじぇじぇの久慈駅までなのだが、津波で島越駅が復旧工事中。現在は宮古~小本間と田野畑~久慈と分かれて運行されている。
北リアス線の全線開通は2014年の予定。がんばれ三陸鉄道。

niso13_615
つつましやかな一両編成の車内には7人の乗客がいた。
「あ、乗らないのね。撮り鉄なのね」そんな運転士さんの視線を受け流しつつ列車を見送る。
ちなみにぼくは鉄ちゃんではありません。とねりの庭でも列車や駅は度々取り上げているけれど、違います。
でも駅は好きです。訪れるのも好きだし写真も撮ります。
そうですか。傍から見れば鉄ちゃんですか、そうですか。

niso13_611
駅舎全景。なんともかわいらしい駅だ。
運行は概ね一時間に一本。駅に着いたドンピシャで現れた列車に、つい「持ってる」と言っちゃったのはそのせい。
それでもこの一時間に一本という本数は、宮古から県庁所在地である盛岡へ向かうJR山田線よりも多い。
がんばってます三陸鉄道。

niso13_612
ベンチマニアは素通りできないキングオブ駅ベンチ。イームズのサイドシェルに似たデザイン。この配色も好きだ。
駅舎のベンチにひとり座って山の空気を味わうひととき。ああ良きかな田舎駅。
そうですか。鉄ちゃんですか、そうですか。
さて帰ろう。

niso13_616
線路の下にある小さなトンネルには自転車があった。鍵はかけられていないが、放置自転車ではないだろう。
都会では信じがたいことかもしれないが、ここは由緒正しき田舎。鍵など必要がないのである。

niso13_609
帰りもまたベコンベコンと音を立てて赤い橋を渡る。
立ち止まり、眩い川に目を落とすと、小さな魚がキラリと光ってみせた。
次は紅葉の時期にでも来ようかね。

以上、三陸鉄道佐羽根駅でした。

そうそう、駅舎には「旅ノート」があります。
立ち寄った際には一筆どうぞ。

作成者: にそ丸

■東京から一番時間距離のあるまち、岩手県宮古市のとある庭から見える田舎の風景を。

さばね。」への17件のフィードバック

  1. 綺麗な景色です.わたしはシェアを行います ./シャララネット’NPO/ラスカル39号,矢萩仙孝 Join web ”m” Team

  2. シャララネット web "m" team/ラスカル39号.矢萩仙孝 Join Tracking record. でリブログ& コメント:
     ”三陸鉄道北リアス線…” Reblogged by *シャララネット’NPO/ラスカル39号,矢萩仙孝 Join web ”m” Team

  3. ここはやっぱり、「持ってる」ってどういう意味なんですか~?
    って聞かずに、通り過ぎるわけにはいないかと・・・(*^^*)
    ついてる? いかしてる? ???

  4. いぜんはぎふのいなかまちにすんでいて、ろーかるせんでがっこうにかよっておりました。
    ふるいえきでとうじはうんざりしていたのですが、いまならそのけしきやふるさはとてもかちのあるものにみえるようなきがします。

    …かんじへんかんきのうがふっかつせず、よみづらいこめんとでしつれいいたしました。
    ほかのかたへのこめんとはだいじょうぶみたいなのですが。。
    いつかなおることをいのります。

    • にそまるは こめんとに よろこんだ!
      れべるが 1あがった!

      若い頃はそんなものですよね。古びてくすんだ田舎より、最新のものがあふれた都会のほうがよくみえる。
      私も関東に住んでいた若い頃は、地元なんて戻るもんかって思ってました。
      古いものに価値を感じるのは、精神年齢の成長なのかもしれませんね。

      それにしても漢字で書き込めなくて、とんだご迷惑をおかけしております。
      ぐぐってみたところ、UTF-8あたりにナニかありそうな気配でしたが、いかんせん詳しくないので、すぐ改善とはまいりませぬ。
      引き続き原因究明と打開へ向けて行動します。

      • いえいえ!お気遣いなく!

        …どうやら直った模様。。?
        とりあえず「コメントに返信」から漢字変換は大丈夫みたいです。
        お騒がせいたしました。
        精神年齢は成長してもひらがなオンリーの小学生のようなコメントでお恥ずかしい限り。

        ブログ楽しみにしてます。
        にそまるさんのレベルがダウンしないよう、せめて誤字脱字には気をつけます。

      • 祝☆改善!
        あ~よかったよかった

        でもまた不具合が起こってのひらがなオンリーになっちゃっても、めげずによろしくお願いします。
        あと誤字脱字も大歓迎です。つっこむなどヤボなことはありませんので。
        いやいや、ご丁寧にありがとうございました!

  5. 駅のベンチってデーハーだよねと思ってましたが、
    これはシャレてますね~
    「E2-E4」っていうミニマルミュージックのジャケットを思い出しました

    • E2-E4を画像検索したら、モニタ全部がチェック模様になって愉快だったよ。
      クリーム色と茶の配色っていいよね。スネークキューブ色。
      ちなみに、この記事の写真はすべて35mm単焦点です。参考になりますかね。
      駅舎の中のように広くない室内では窮屈な感じです。
      前にぺこさんが書いた、あまがえるやてんとうむしなんかの「寄り画」は得意でしょう。
      もっと得意なのはマクロですね。作例はひつじ先生で。

  6. 自分も今画像検索してみて、思った以上に愉快。
    緑深い三鉄の無人駅にアンビエントハウスの礎を感じるとは。
    このベンチに座ってE2-E4を聞いてみるのも趣がありそうです。

    FBの写真家さん見てて?なのは、現実より光があふれてるように見える写真なんですよね。
    これコンデジで撮ったら薄暗いだけだろうなって。
    明るいレンズってやつなんでしょうかね。

    • どうなんだろねぇ。確かに絞りを開けば、明るくなるだけじゃなくて光が「大きく」なるもんね。あふれているように見えるのはそういうことなのかなぁ。
      あとはアレだね。コンデジなら薄暗いだろうてなところが明るく撮れるみたいなのは、単純に暗さに強くなったということかもしれない。最近のカメラは感度を上げても画質が荒れにくくて、本当にすごく便利ね。

  7. 『すんげー、釣れんだーが』ニヤっと笑いながらススムが言った。

    翌朝5時、宮古駅からたった1両のディーゼルカーにのった中学1年生二人は佐羽根駅に降り立つ。
    乗客も一人、二人はいたと思うが、プラットフォームに降り立ったのは当然のようにぼくらだけだった。
    当時はまだ「Stand by me」なんてしゃれた映画はなかった。
    しかし、今思い出してみればそんな風景の中にいた。

    ススムは川の石をひっくり返してカゲロウの幼虫を探す。
    わたしは箱から出したてのピッカピカのルアーをスナップスイベルに止めるとまだ開けやらぬ川面にキャストした。
    月の小遣いが300円しか無い時に、180円のルアーは宝物以上の存在だった。
    クン!と竿先に軽い重みを感じ、リールをまくとたかだか14cm程度の山女魚が申し訳なさそうにぶら下がっていた。
    「ススム! 勝ったぞ! ススム!」そういうわたしにススムは如実に一瞬バツの悪そうな顔をしたが、すぐにニコっと笑って『オレもルアー、かうがなあ』と言った。
    目を細めても瞼をこじ開けるような強い夏の日差しで未舗装の道は真っ白くハイキーに見えた。
    そんな田舎道を釣りながら川沿いに歩き、昼過ぎに田代へと着いた。
    真夏の日差しを避けてトトロが出て来そうな大きな木の下に座る。
    バスを1時間ほど待つあいだ、バケツの中で泳ぐ山女魚をみながらいつのまにか夢の中で釣りを続けていた。

    • あぁ素敵だぁ……。情景がありありと目に浮かんで、まるでそれを見ているような気持ちになりました。でも、目を細めこの美しい田舎の一コマを眺めている自分は、今の歳の私。空想の中でも、もう少年時代に戻ることはできない自分が寂しかったです。
      『Tシャツ』ではなく『しゃっつ』一枚で、これでもか! というほどに日焼けしたゆういち少年とススム少年。川面、ルアー、未舗装の道、バケツの中の山女魚。すべてが輝いて見えるその中で一番眩しかったのは、この二人。
      胸がぎゅっとなる素敵な映像をありがとうございました。
      勝手ながら「僕らの夏の夢」─山下達郎─を脳内BGMとしましたことをお許し下さい。

  8. ピンバック: @シャララネットNPO / @Japan @ラスカル39号 @矢萩 Senkou join tracking records.

    • ありがとうございます。
      もう置くところないよ! ってくらい置いてみましょうかね(笑)
      いっそのこと、ぼたもち用の棚を設置して。少し前傾した感じで。
      そうすれば、日常的にたなぼただ! なんて。
      と、いつもこんなくだらないことばかりですが、
      本年もよろしくお願いしました☆

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中