とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


8件のコメント

朔望。

おっさんになってから見っけた愉しみってぇのがある。
その中でもとりわけ、深夜の散歩はいい、という話。

ぼくの宅飲みはひどい。
人格を疑われることを恐れず白状するが、365日のうち酒を摂取しない日は7日もない。そして、さすがに毎日ではないけれど、週の半分は医者が眉根を寄せるであろう量を飲む。
そんなひどい飲み方をしていて見つけた愉しみが、深夜の散歩なのだ。
「なのだ」などと胸を張って書いているが、見かたを変えれば酔っぱらいおっさんの深夜徘徊なので、全く褒められることではないのは自分がよく解っている。
今夜も富士山麓を1/4ほどを取り込んでから深夜の散歩を愉しんできた。徘徊のツレは酔い覚ましがわりの缶ビール。
ふらふらと歩きながら、夏草の匂いを肴にぐびりと缶ビールをあおると、病弱げな細い月に笑われた。
「アンタ、しあわせね」
梅雨明けに遅れをとりながらも風邪を追い出した健康体がちょっぴり申し訳なくて、無言のまま月から目を逸らした。
目を逸らしてから思い直した。目を逸らす前、網膜に残った夜空。夏の夜空、月が身をやつしたからこそゆえ、数を増した星空。
今一度顎を上げて、二度とない2013年の夏の夜空に小さく缶を掲げた。

細くても、まん丸でも、月を見上げるたびに想うのです。幸せであり切なくもある情の在りか。人が人である証明のような進退両難の所在を。
niso13_766
どれだけ無駄な言葉を並べようとも、地球は回り続けるのです。
ありがたや。