とねりの庭

下々ノ者ノ下ノ庭


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盆点描。

地獄の釜の蓋が開くといわれるのに、こうして休まず更新するのはいかがなものかと思いながら、わが宮古市のお盆風景をご紹介。

「松明かし」という風習をおさめようと思い、退社の足でまちを歩くと、目的の風景より先に盆踊りの会場を見かけたので立ち寄ってみることにした。
会場には、準備している先輩方が4人。挨拶をすると、笑顔で迎えてくれた。
「若い人が減ってね、準備も大変だでば」
そう語ったおじいちゃんの笑顔は、どこかうきうきしているようできれいだった。
腰の曲がったおばあちゃんが、ひょこひょことやぐらへ進む。手慣れた手つきでCDラジカセを操作すると、スピーカーから炭坑節が流れた。
「今のうづに鳴らしておげば、ほれ、盆踊りだって思って来んのす」
やっぱりいい笑顔のおばあちゃんがくしゃっと顔をゆがめながら教えてくれた。
訊けば、開始までまだしばらくあるということで、お礼を言っておいとましたが、ここで老若男女が踊る様子をスローシャッターで撮れば……と逡巡したのはたしかだ。

松明かしは宮古の文化。
軒先で松の木っ端を燃やし、先祖の御霊をお迎えする行事。
すでに迎えたあとで、家にいるんじゃないの?と思うが、細かいことは気にしないが吉。
8月の1日、7日と、13~16日、ちょっと空いて20日と、最後に31日が松明かしの日。
子どもたちにとってこの日は、堂々と花火を楽しめる日でもあり、そういう意味で、お盆を楽しみにしている子どもたちは多い。
そうそう、お盆に里帰りや親戚まわりをすると、家のおばあちゃんやおじいちゃんが、孫に対してお金をくれるのだが、それを「花火代」と呼ぶのも珍しいかもしれない。なにせずっとそう言い続けているので、あたりまえすぎて判断がつかない。

おばあちゃんが子供に手を出させ、その手にお金を置くやいなやそのお金とともに手を包むようにぎゅっと握り、
「ほれ、これで花火でも買っとがん」
厳しいおじいちゃんなんかはこれのあとに、
「無駄遣いすんなぁよ!」
がついたりもする。
親は、いつもすいませんーなどといいながら、わしわしと頭をなでられて嬉しそうな顔をしている子供を眺めるのだ。

ああ、田舎よきかな。

以上、宮古市のお盆点描でした。