ため息の元がぼくの中に生まれていた。それは随分前のこと。
構図のマンネリズム。
これを打破すべく、敢えて日の丸構図に挑戦してみる時もあるのだが、大概はそんなことも忘れ、いつも通りちょい寄せでシャッターを切る。
もう完全に体に染み付いているのだ。センターでロックしたら適当量ずらすという動作が。
持ち帰ったデータを現像しながら、代わり映えのしないいつも通り収まりのいい構図の写真に溜息をつく。
失敗を怖がって及第点を取りに行くようじゃ成長は望めないとわかっているはずなのに。
基本的なおりこうさん構図はもう充分撮ってきたじゃないか。
そろそろぶっ壊してもいい頃なんじゃないか?
その先にあるもんを見てきてからでないと撮れないおりこうさん構図が見たい。
小学生でいうなら、体育以外オール5のなにかと鼻につく少年。天使の輪付きおかっぱ+まじめ眼鏡+真っ白のYシャツ+赤いレジメン蝶ネクタイ+ブレザー+ランドセルで、下は白ハイソックスとローファーのみ。
そんなおりこうさん丸出し写真。
いや、丸出しのおりこうさん写真、か。
いいな、行こうじゃないか。
見てろよ、自分。変わってやるからな。
とりあえず、来年あたりから始める準備をするか考えてみたらいいかもって思うよって死んだばーちゃんが言ってたような気がする。まだ生きてるけど。