あまりに懐かしくて涙がでそうだった。
あーなんて懐かしい!
本当は涙なんか出そうになってないけど、懐かしいのは事実。
というか、スタンプて……。
うちのスタンプ入れは、青くて丸いクッキーの缶だった。
念のためスタンプを知らないかもしれない若い人のため書くが、スタンプ=ハンコではない。現代でもショップカードの裏にスタンプを「押して」もらう式のものはあるが、そのスタンプではないのだ。
ここでいうスタンプとは、切手と同じ様式のもので、システムや店舗で違いはあるが、例えば100円の買い物で切手状のものが一枚もらえるというもの。
そしてそれを自分の手で台紙に貼り付け、ある程度貯め、なにかと交換もしくは金券として使えるのである。
そういえば昔は様々なスタンプがあった。
大御所はグリーンスタンプだろう。異論は認める。
切手のようにあらかじめ裏に糊がつけてあるので、ヤマトのりやアラビック不要の親切設計。糊など無い安普請だった地元商店街の「宮古スタンプ」とは別格の贅沢仕様であった。
ちなみにうちでは、たっぷり湿らせたフキンをテーブルに置いて、それにスタンプの裏面を押し付けて貼るという革新的な方法により、快適なスタンプライフをエンジョイすることができていた。
ラジコンや天体望遠鏡の写真が載っている交換カタログを眺めるだけで楽しかった。ああなんてかわいい少年にそ丸。
でも交換したもので記憶に残っているのは、HOYA製クリスタルガラスのタンブラー。スコッチウイスキーが似合うシンプルなカットガラスの。
それを交換したのは中学生の頃。ああなんて小憎たらしい少年にそ丸。
あのグラスはどこへ行ったろう。割った記憶は無いけれど、今はもう無い。
グリーンスタンプの勢いに消されてしまったのが、ブルーチップとゴールデンスタンプ。
ブルーチップはリス的な愛らしい小動物が描かれている青いスタンプで、あの目つきと腰つきから推測するに、メスに違いないとかなんとか、以前ネタにしたこともあるほどに記憶は鮮明だし、検索すればたくさんhitするほどにメジャー。
一方写真のゴールデンスタンプはというと、グリーンスタンプはもちろん、ブルーチップにすら大きく水をあけられるほど、加盟店が少なかったように思う。ゴールデンなのに。
そんなわけで、こんなキャラクターの記憶はおろか、存在自体の記憶がとても淡い。
ググってみたけれど、wikiすらない状態。むむー。
しかたがないので推測でキャラクターの分析をする。そろそろついてこられない者もいるだろうが、それは全く以て間違いではないので、胸を張ってブラウザを閉じるがよし。
これはライオン。雄の子どもライオンである。
ブルーチップのリス的小動物など彼にとっては単なる餌にすぎない。グリーンスタンプの緑など、彼にとっては寝床もしくは糞尿をまきちらす便所である。しかも子どもなので、こらからもまだまだ成長する可能性を持っているのだ。
しかし、いち早く終わった。グリーンスタンプやブルーチップよりもずっと早く終わった。ゴールデンなのに。
それは、左右のひげの数が違うせい。
身だしなみを気にするのは結構なことだが、それに気を取られるあまり、看板になるその時まで「あ、右少なっ」とそればかり見ているのはいただけない。視線をそらして顧客の信頼を得ることなどできないのだから。
こうしてゴールデンスタンプは終わった。
あゝ哀れなゴールデンスタンプ。
あゝ哀れぞゴーくん。
さようなら、さようなら。
これがゴールデンスタンプの顛末である。
了
と嘘八百を並べるのが精一杯なほどキャラの記憶は全くないのだが、スタンプは実際に手にしたことはあって、私のもんより記憶をほじくると以下のようになる。
赤の地に、黄色で細かいギザの円。その中に赤縁取り白ゴシックで「ゴールデン(改行)スタンプ」とあったように思うのだが、二色刷りは考えにくいので、絶対に記憶違いだろう。ありそうなところで、赤地に白抜きのギザ丸、その中に赤字でゴールデンスタンプの文字というところか。ああ気になる(棒読み)。
いずれにせよ、懐かし感こそあれ、別にスタンプマニアでもないわけで、そんなに探求する気もないのではあるが、どんなもんだったか知りたいのは知りたい。
ということで、記憶のある方はご一報を、ぜひ。
10/09/2013 03:53
ブルーチップスタンプ、懐かしくて涙がちょちょギレそうです。
貼る台帳は確かブルーのわら半紙状のものだったような気がするけど、違うかな。
なかなか集めるのは大変なのだけれど、カタログを見て居るだけで楽しくてワクワクして居た事を覚えています。
それから、地域の商店で確かローズスタンプと言うのがあったような気がします。
これは商品じゃなくて、100枚貼ると100円くらいになって、せっせと貼って、お小遣いの足しにしてました。
グリーンスタンプも、かすかに記憶があります。これって、地域に寄っても違うのかな。
10/09/2013 12:41
ローズスタンプ!なんとも気品あふれる名前ですこと。
私んとこの「宮古スタンプ」も、景品交換ではなくて、金券的な使い方をします。ローカルのはそういう傾向が多いのかも知れませんね。
ブルーチップスタンプとグリーンスタンプの勢力図、ちょっと気になりますね。もしかしたら東日本と西日本でーとかあるやも。
10/09/2013 05:20
なんだか楽しそうですね、にそまるさん。
ほほえましく読ませていただきましたが…ライオンのひげがどうしても気になって今夜は眠れそうにありません。
10/09/2013 12:50
よく眠れましたか?
ひげ、きになりますよね。本文で右っつったけど、彼から見たら左よね。全く詰めが甘い。
にしてもなぜ本数変えたかね。クライアントも納得の上なんだろか。もしかしたら4:3こそ狙い……クライアントの要望とか?
ホント気になって気になって、ぐっすり寝ましたよ。
10/09/2013 20:42
あー、そういうの、ありました(*^_^*)
10/09/2013 21:55
財布の中にくっついちゃったりしたものです。
今はみんなカードになって楽になりましたねー。
10/10/2013 02:05
今でもパン屋さんのシール(スタンプとは言わない)集めてますよ。
欲しい交換商品は何冊分も集めないといけないので、台紙に張るところまでやって、
そのうち忘れ去られるという運命が待ち受けていたりします。
シール集めてますか?と聞かれると、つい『はい』って言っちゃうのよねぇ~。
10/11/2013 21:15
あら、まだシール方式を続けているなんて、すてきなパン屋さんですこと。
その集めにくさめんどくささが狙いだなんて思っても言わないでおきましょー。
10/10/2013 03:05
2〜3週に一度、小学生の自分は母親から言われると紙箱に無造作に詰め込まれたグリーンスタンプの皺をのばしながらチューブ入りの「ヤマト糊」で台紙に貼付けた。
変な形に繋がった12枚くらいのやつを台紙の真ん中に張り、1〜2枚繋がった小さいやつでその外側の空いたスペースを埋めた。
ともすると、スタンプを切るはずのミシン目からはみ出したえらく濃いヤマト糊はとなりのページと癒合し、それまでの苦労を台無しにした。それでも黙々とスタンプ張りをやったのはもちろん、下心あっての事だ。
『グリーンスタンプの店』が新町の下のほう、中央通りに近いところにあった。明治屋というお菓子屋さんの隣であり、子供時分のテリトリーにである。
その店には通常カタログでしかみられない商品が現物として華やかに並んでいた。
小学生の時分にはウインドーを入って左側にある傘立てのようなものに立つ、「ダイワ:磯風4号L」という3.6mの釣り竿以外、目にはいらなかった。
当時、月の小遣いが300円の時分には3600円のグラスロッドはあまりにも高すぎた。ゆえに、率先してグリーンスタンプを張りながら、あの釣り竿がだれかに持ち去られてしまう日にドキドキしながらウインドーの外からティファニーの首飾りをみるような想いで毎日眺めていた。
『何冊貯まった?』という母に、おずおずとその件を切り出した。とても、歯がゆい想いで。お尻の穴がかゆくなるような恥ずかしさで。
以外にも母は素直に「いいよ」と言ってくれた。 私は8冊ちょっとのスタンプ帳を握りしめて2ブロックを全力疾走した。
今、その竿は「いつでも海にいこうぜ!」という風情で物置の片隅でほこりをかぶってはいる。
10/11/2013 22:56
たらちねがそうであるように、スタンプは母の枕詞になりました、只今を持ちまして。
って、俳句はそうもいかないでしょうけど、絵本の挿絵だったなら、スタンプと母は同じページに収まっていいですね。
以前に頂いた川釣りの風景もですけど、絵本的ですよね。いつも。
ウインドーの奥にある磯風4号L。そのウインドーに映るキラキラの瞳のゆういち少年(後ろ姿越し)。
言い出したくても言い出せない少年と、柔和で優しい表情の母。
握りしめられたスタンプ帳の向こうに見える店。
ぺこちゃん……うううん、なんでもなーい。
少年の日の想いで選手権─ノンフィクションの部─二連覇です。
12/25/2019 15:40
姑の遺品を整理していたところ、見慣れない小熊(ライオン?)のスタンプ帳が数冊出て来て、もしかしてグリーンスタンプの前進?!と思い、ググったところこちらにたどり着きました。せっかく貯まってるのに、何かと交換することはもう不可能なんですねーー、、、
12/25/2019 18:09
espressoさん、こんな場末のブログにお越しいただきましてありがとうございます。
あわせて体温を感じるコメントまでお寄せいただき、とてもうれしく感じました。にも関わらずブログの内容はくだらなくて申し訳ないやら。
姑さまのご遺品とのことですので、タイミングがふさわしくないかもしれませんが、なんだかサンタさんからの贈り物のように感じた次第です。
年の瀬ですね。espressoさんの2020年がゴールデンでありますようにとお祈りいたします。