以下は犯人による撮影。
三鉄車内での取材仕事中にカメラを奪われた。
カメラに興味があるのはいいことだ。
しかしカメラを取り上げられては困る。
なぜなら、小さな手で重いカメラを持って楽しそうに写真を撮るキミを撮れないからだ。
奪われた自分のカメラで撮られるとは思ってもいなかったなあ。
強奪犯はこの子。写真も姿も将来が楽しみなのだ。
※最後のニコパチ写真:にそ丸撮影
カテゴリー別アーカイブ: ローカル鉄道
ぶらり新里。
カンパネルラ田野畑駅。
出張の合間にちょっと寄り道してきましたよっと。
駅舎外観。震災後にネスレのキットカット企画によって桜柄になりました。
ホームへは線路をまたいで行きます。ちなみに単線というのかな、線路は一本分だけ。
方角でいう北、久慈方面を向いています。
例の朝ドラでは畑野駅として何度も登場した駅ですね。
しっかりしてます。
というか使わない手はないし、ロケ地を期待して立ち寄る人も多いだろうから当然かな。
駅舎なんだけど、座敷的な休憩所があります。
本がいっぱいあるのが大変好ましいのです。
営業中のフダがかかってるし、入り口オープンなのに、斜めに片付けられた椅子が閉店状態。
事務所に声をかければ人が出てくるんだけど、今日は時間がないので写真だけ。
のーねんのサインと、だいきっつぁんのと思しきサイン。さっきのカウンターにもありました。それにしてもなんて田舎的不用心。
てなことで、滞在15分の三陸鉄道田野畑駅でした。
今は遠い国で暮らす人の思い出の場所だってのがなんか不思議で楽しかったのでした。
さばね。
あまちゃんの「北鉄」で使われている三陸鉄道北リアス線。
もともと利用者は多くない路線だが、今日はその中でも特に利用者が少ない佐羽根駅(さばねえき)へ立ち寄ってみた。
—
道路や民家を背にして山側を向くと、幅1.5mほどの赤い橋がある。ベコンベコンと愉快に鉄板を鳴らしながら渡りきると、ほどなく佐羽根駅だ。
この駅の一日の利用者は、平均して10人程度。しかしいわゆる「秘境駅」ではない。
秘境駅の定義については触れないが、とりあえずすぐ近くまで車で行くことができ(この日も車で行った)その道路周辺には民家もそれなりにあるので、秘境駅とはいえないだろう。
まぁ絵面は秘境といえなくもないけれど。
橋の下には笹舟が似合いそうな日本の原風景的清流が流れている。
赤い橋を渡るとすぐに現れる駅へ上がる階段。
バリアフリー?なにそれ美味いの?
上りきるやいなや汽車が来た。持ってるじゃないか、私。
ちなみに、電車ではなくワンマン運転のディーゼル車両。
JRも含め宮古市周辺には電車はないので、この辺の人は列車のことを「電車」といわずに「汽車」と呼んでいる。
しまいにゃ、よそから来た人が「あ、電車だ」などというと「汽車です」と訂正を入れられることもあるから注意が必要だ。
そしてその訂正を入れた本人がトカイに行き、覚えたての東京イントネーションで「汽車が遅れてー」などと言い、恥ずかしい思いをするというのが古来よりの伝統芸なのである。
本来の北リアス線は宮古駅からじぇじぇじぇの久慈駅までなのだが、津波で島越駅が復旧工事中。現在は宮古~小本間と田野畑~久慈と分かれて運行されている。
北リアス線の全線開通は2014年の予定。がんばれ三陸鉄道。
つつましやかな一両編成の車内には7人の乗客がいた。
「あ、乗らないのね。撮り鉄なのね」そんな運転士さんの視線を受け流しつつ列車を見送る。
ちなみにぼくは鉄ちゃんではありません。とねりの庭でも列車や駅は度々取り上げているけれど、違います。
でも駅は好きです。訪れるのも好きだし写真も撮ります。
そうですか。傍から見れば鉄ちゃんですか、そうですか。
駅舎全景。なんともかわいらしい駅だ。
運行は概ね一時間に一本。駅に着いたドンピシャで現れた列車に、つい「持ってる」と言っちゃったのはそのせい。
それでもこの一時間に一本という本数は、宮古から県庁所在地である盛岡へ向かうJR山田線よりも多い。
がんばってます三陸鉄道。
ベンチマニアは素通りできないキングオブ駅ベンチ。イームズのサイドシェルに似たデザイン。この配色も好きだ。
駅舎のベンチにひとり座って山の空気を味わうひととき。ああ良きかな田舎駅。
そうですか。鉄ちゃんですか、そうですか。
さて帰ろう。
線路の下にある小さなトンネルには自転車があった。鍵はかけられていないが、放置自転車ではないだろう。
都会では信じがたいことかもしれないが、ここは由緒正しき田舎。鍵など必要がないのである。
帰りもまたベコンベコンと音を立てて赤い橋を渡る。
立ち止まり、眩い川に目を落とすと、小さな魚がキラリと光ってみせた。
次は紅葉の時期にでも来ようかね。
以上、三陸鉄道佐羽根駅でした。
そうそう、駅舎には「旅ノート」があります。
立ち寄った際には一筆どうぞ。